➖証し集②➖家族の地上での歩みを見送り(東京都K・Oさん)
この世の最後の歩みを振り返り
「証し」を通して神の「恵み」を分かち合う
今回のシリーズでは、家族など近しい方の地上の最後の歩みを振り返り、神を信じて地上の最後を迎えるとはどのようなことかを「証し」を通して分かち合いたいと思っています。
イザヤ書46章4節
あなたが年をとっても、わたしは同じようにする。あなたがたがしらがになっても、わたしは背負う。わたしはそうしてきたのだ。なお、わたしは運ぼう。わたしは背負って、救い出そう。
「父の病床洗礼」それは神の憐れみ、恵み、そして与えられた平安
私の父は2018年に下咽頭がんと診断され、2020年に手術を受けました。父は声を失いましたが、旅行やゴルフなどの趣味を楽しみ、前向きに過ごしていました。
2022年5月に再発。抗がん剤治療を受ける事となりました。その約1年後6月頃から治療の影響で体力が落ち、体調を崩すようになりました。特に夜間に体調を崩す事があり、夜具合が悪くなるかもしれない、という恐怖心があるのでは?と心配した私は、そこから守られるように、夜寝る前に祈ろうと父に言うと、素直に応じてくれました。それからほぼ毎晩、父が寝る前に一緒に祈りました。
父はこれまで教会の伝道礼拝にオンラインで参加したり、教会のイベントに出席したりしていましたが、イエス・キリストを信仰する決断には至っていませんでした。 しかし病気が進むにつれ、父の御言葉を聞く態度が、明らかに熱心になっていくのを感じていました。父は毎晩私と祈ることを望み、神にすがっている様に思えました。
父の衰弱は進み、2024年1月から緩和ケアになりました。そして医師からは余命1〜3カ月と言われました。残された時間が少ない事を感じ、すぐに教会の牧師に面会に来て頂き、福音を分かち合って頂きました。父は熱心に耳を傾け、「お話を信じます」と筆談しました。
牧師が洗礼について聖書から説明すると、父は受けたいと言い、その日に病室で受洗しました。たとえ明日亡くなるとしても、イエス・キリストに従いますと表明して生きたいという必死さが伝わってきました。
その後の父は確かに内側に聖霊が居られるのを感じる事ができ、看護師さんからは「お父さまの笑顔が絶えずにこちらが癒やされます」と言って頂きました。
そんな父に試練が訪れました。大学病院から転院して欲しいと言われたのです。父は長年お世話になったので、最後まで診て欲しいと願っていました。父も私もできる事をして、後は祈って神に委ねました。
しかし神は父を転院へと導きました。気落ちしている父に、「神に祈った結果だから、転院先に大学病院以上の祝福があるよ!だってイエス様は十字架で命を与える程、お父さんを愛しておられるのだから大丈夫」と言って父を励ましました。
転院した病院の周りは緑も多く空気がきれいでした。看護師さんが笑顔で父を車イスに乗せてお庭に散歩へと連れ出してくれたり、お風呂に入れてくれたりと大学病院では味わえなかった事ばかりで、父もすぐに気に入ったようでした。食事が摂れない父に、味覚以外の五感を使う楽しみが与えられたのは、父の思いや願いをはるかに超え、神が恵みを施して下さったと感謝しました。
父と最後に話しをしたのは、6月下旬でした。不安そうに、辻褄の合わない事を筆談してきたため、それを神に委ねようと私が祈り始めたら、父は目をつぶって手を合わせ、私が祈り終えるとイエス・キリストを仰ぎ見るように遠くを見つめ、ゆっくり十字を切っていました。私たちはプロテスタントのため、十字は切りませんが、父がベッド上でできる精一杯の神への愛を表したのだと思います。
父は更に痩せ、癌は大きくなり、度々癌から大量出血するようになりました。癌に蝕まれていく姿が父の実質ならば、何の為に生きてきたのでしょう。しかし信仰を頂いた父は、いずれ古くほころびた洋服を脱ぎ捨てるように、肉体を脱ぎ捨て新しい栄光の身体が与えられる約束があります。父の実質は肉体ではなく霊であり、その霊は神の子供として間もなく神の元に迎え入れられると言う事が、見送る私にとっても大きな慰めでした。
父は病室で一人天に召されました。しかしイエス・キリストは最後まで父と共にいてくださり、そして今も共にいてくださる。父の穏やかな表情を見て、「良かったね」と私は思わず声をかけていました。
今、父は天国にいて、痛みや苦しみから解放されて、イエス・キリストと顔と顔を合わせている。いつか私もそこに行き父と再会できる。これは気休めではなく、イエス・キリストのゆえに真実であり、私の希望です。
次週は
「愛し難い義理の伯父との、思いがけない最後の三週間」を分かち合いたいと思います。
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🔹 ➖証し集①➖家族の地上での歩みを見送り(千葉県J・Tさん)
グレースセレモニーは、事前のご相談から、ご依頼主様と同じキリストを信じる者として、共に祈り準備を重ねて参ります。葬儀を通して、召された方の信👉歩みから、参列者お一人お一人に福音を分かち合い、キリストを紹介する場として、召された方の思いを大切にしつつ、一都三県でのキリスト教葬儀を、最大限お手伝いさせて頂ければと願っております。
