➖証し集①➖家族の地上での歩みを見送り(千葉県J・Tさん)

目次

この世の最後の歩みを振り返り

「証し」を通して神の「恵み」を分かち合う

前シリーズでは、聖書に登場する人物の地上での最後の言葉にフォーカスしてきました。そこには、その人の信仰による最も伝え残しておきたい遺言のような言葉があり、今を生きる私たちの励ましとなりました。

今回のシリーズでは、家族など近しい方の地上の最後の歩みを振り返り、神を信じて地上の最後を迎えるとはどのようなことかを「証し」を通して分かち合いたいと思っています。

母の地上での最後の3週間

母は子育て真っ最中の頃、友人に導かれて教会に行き信仰が与えられました。それからは教会のリーダー的存在として、神と人に仕えてきました。その様な中、50代の後半にパーキンソンという病を得て、病気との共存生活が続きました。しかし決して神を恨むような言葉は語らず、病気と闘いながらも教会に通い、手紙を書いたり電話で姉妹を励ましたりする、信仰生活を送っていました。

その様な母も80代になり、人の手を借りながらなんとか生活していましたが、いよいよ身体が弱ってきました。その頃母から「私は、天国に迎えてもらえるか分からない。だから不安なの。」と思いがけない発言がありました。

「キリストを信じる者には永遠の命(御国の希望)が与えられると言うお約束を頂いているでしょ?」と言っても「早くに病気になり、神さまのお役に立てていないから….」と。

驚きと共に、ローマ人への手紙4章5節「何の働きもない者が、不敬虔な者を義と認めてくださる方を信じるなら、その信仰が義とみなされるのです。」と書いてあるよね。と伝えましたが、なんとなく腑に落ちていない様子でした。

体力は落ち免疫力も低下する中で、病院に検査入院中感染症からの多臓器不全になり、病院からの連絡で今晩が最後の時でしょうと告げられました。そして家族が病院に駆けつけお別れをしました。幸いその時は持ち直し、まだ命が保たれましたが、そのような山が何度かありました。

コロナ渦真っ只中でしたが、病院が好意を示して下さり、ベッドサイドで賛美をしたり、御言葉を読んで祈ったりする事ができました。驚く事に、母の大好きな賛美歌を歌うと、呼吸苦であえいでいるにも関わらず、大きな声で一緒に賛美をし、また牧師と電話を繋いで祈って頂くと大きな声でアーメンと応答したりと神の不思議なお守りを感じました。

友人が電話口で賛美歌を歌ってくれるのを聞いたり、クリスチャンの友に消え入りそうな声でしたが、感謝を伝えたりと、これは神さまからのプレゼントだと思える時を過ごしました。

またクリスチャンの叔母がお見舞いに来た際、いつものように苦しい息の中、共に賛美し祈っていた時、同席していた看護士さんが突然泣き出して「実は、私はクリスチャンなんです。日曜日に仕事で嫌だなぁと思っていたら、神さまがこの時を与えてくださいました。一緒にお祈りしてもいいですか?」と言って、心を合わせ祈ってくださったと言う思いがけない贈り物も頂きました。

医師からは、何度も危険な時を乗り越えて、医学的には命が保たれているのは考えられないと言われましたが、まさに命は神の御手の中にある事を実感しました。そして妹と私が見守る中、天に召されました。その瞬間、母の魂は神の元に帰った事、そして痛みも苦しみもない身体が与えられた事を思い感謝のお祈りを捧げました。


信仰に固く立っていた母でしたが、それでも天国に入れるか分からないと不安を口にし、値なしに頂けるのが恵みなのだと言う事の理解が少し弱かったのですが、最後の3週間の歩みを通して、確かに母は神を愛し、神に愛されていたのだと実感する事ができました。信仰があるから全く恐れがなく神にお任せできる訳ではなく、やはり肉の弱さもあり、恐れや不安が来ることもありますが、神は弱い私たちに同情してくださり、あくまでも恵み深くしてくたさるのだと、残された家族にもたくさんの慰めと励ましを頂きました。 

「 何の働きもない者が、不敬虔な者を義と認めてくださる方を信じるなら、その信仰が義とみなされるのです。」 (聖書 ローマ人への手紙4章5節)

次週は

「人生の最後に、病床でイエス・キリストを信じた、父親」についての「証し」を分かち合いたいと思います。

                               こちらもぜひ御覧ください。

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