➖讃美から葬儀を考える②➖ キリスト教の葬儀と信仰
讃美から葬儀を考える
キリスト教葬儀の特徴とは
キリスト教の葬儀の特徴は神へ捧げる礼拝であることです。祈りと聖書朗読、牧師による説教で死後の復活、天国での再会、そして讃美を通して神への感謝や故人への思いが表現されます。このシリーズでは特にこの讃美をクローズアップしていきます。第二弾として海外の葬儀でよく歌われる、伝統的な讃美歌からコンテンポラリーなワーシップソングをご紹介していきます。
「10,000Reason」(主をたたえよ わがたましいよ)
詩篇103篇1〜5節より
1 わがたましいよ。主をほめたたえよ。私のうちにあるすべてのものよ。聖なる御名をほめたたえよ。2 わがたましいよ。主をほめたたえよ。主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。3 主は、あなたのすべての咎を赦し、あなたのすべての病をいやし、4 あなたのいのちを穴から贖い、あなたに、恵みとあわれみとの冠をかぶらせ、5 あなたの一生を良いもので満たされる。あなたの若さは、鷲のように、新しくなる。
「10,000 Reasons (Bless the Lord)」は、神への感謝と讃美を表現した現代的な讃美歌です。この歌の背景をみてみましょう。
この讃美はイギリスのワーシップリーダー、マット・レッドマンによって作られました。世界中のキリスト教会で広く歌われる人気の讃美歌となっています。
主なテーマは神への感謝です。 歌詞は、神の恵みに対する感謝の気持ちを表現しています。「1万の理由」というタイトルは、神を讃える理由が数え切れないほどあることを示唆しています。日々の讃美、朝目覚めた時から夜まで、常に神を讃美することの大切さを歌っています。神の属性の讃美、神の愛・優しさ・寛容さなどの特質を讃えています。永遠の讃美、生涯を通じて、そして永遠に神を讃美し続けることを誓う内容になっています。
歌詞の特徴
繰り返しの多い構造で、覚えやすく歌いやすい形式になっています。「主をたたえよ、たましいよ」という言葉が何度も繰り返され、中心的なメッセージとなっています。

「Oceans」
マタイによる福音書14章27〜30節より
27 しかし、イエスはすぐに彼らに話しかけ、「しっかりしなさい。わたしだ、恐れることはない」と言われた。28 すると、ペテロが答えて言った。「主よ。もし、あなたでしたら、私に、水の上を歩いてここまで来い、とお命じになってください。」29 イエスは「来なさい」と言われた。そこで、ペテロは舟から出て、水の上を歩いてイエスのほうに行った。30 ところが、風を見て、こわくなり、沈みかけたので叫び出し、「主よ、助けてください」と言った。

“Oceans (Where Feet May Fail)” はHillsong Unitedによる2013年にリリースされた楽曲で、深い霊的意味を持つ讃美歌として広く知られています。
この曲のテーマは信仰の試練・神への全幅の信頼・未知の領域への踏み出しです。
楽曲の背景をみてみましょう。
オーストラリアのHillsong教会から生まれました。マタイによる福音書14章のイエスが水上を歩く話からインスピレーションを得ている曲となっています。
音楽的特徴は
感動的なメロディーとハーモニー、海の広大さを表現する音楽性。この曲は、信仰の旅、神への信頼、人生の不確実性に直面する勇気などのテーマを探求しています。歌詞は聖書の教えに忠実でありながら、普遍的な感情にも訴えかけています
「What a Beautiful Name」なんて麗しい名
ピリピ人への手紙 2章9~11節より
9 それゆえ神は、この方を高く上げて、すべての名にまさる名をお与えになりました。10 それは、イエスの御名によって、天にあるもの、地にあるもの、地の下にあるもののすべてが、ひざをかがめ、11 すべての口が、「イエス・キリストは主である」と告白して、父なる神がほめたたえられるためです。
「What a Beautiful Name」はヒルソング・ワーシップによる讃美歌で、 イエス・キリストの名前の美しさと力を讃美する曲です。
この曲の主なテーマは
イエス・キリストの名前の麗しさ・神の栄光と創造・罪からの救い・イエスの復活と勝利・神の力と永遠の支配です。
曲の構成は
イエスの名前を「麗しい」「素晴らしい」「力ある」と段階的に表現し、その意味を深めていきます。歌詞は聖書の様々な箇所を参照しており、特にヨハネによる福音書の冒頭部分や、ピリピ人への手紙2章9-11節などが反映されています。
この讃美歌は
キリスト教の核心的な教義を美しいメロディーと共に表現し、多くの信者に愛されています。歌詞は神学的に深い内容を含んでおり、キリスト教の救いの教理を簡潔に要約しているとも言えます。

「Cornerstone」
エペソ人への手紙 2章20~22節より
20 あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその基石です。21 この方にあって、組み合わされた建物の全体が成長し、主にある聖なる宮となるのであり、22 このキリストにあって、あなたがたもともに建てられ、御霊によって神の御住まいとなるのです。

“Cornerstone” はHillsong Worshipによる2012年にリリースされた讃美歌で、深い霊的意味を持つ楽曲として広く知られています。
この曲の主なテーマは信仰の基盤・神への絶対的な信頼・人生の嵐の中での希望です。
楽曲の背景をみてみましょう。 オーストラリアのHillsong教会から生まれた伝統的な讃美歌 “My Hope Is Built on Nothing Less” を基に作られています。音楽的特徴は、力強いメロディーと心に響く歌詞が特徴で、シンプルな構成ながら深い意味を持っています。
この曲は、人生の困難や不確実性に直面したときでも、信仰を通じて強さを見出すことができるというメッセージを伝えています。「礎石」としてのキリストの存在を強調し、どんな状況でも変わらない神の愛と恵みを表現しています。
また関連した聖書箇所としては 詩篇62篇1節に、「私のたましいは黙って、ただ神を待ち望む。私の救いは神から来る。」と書かれており、この曲の主題である神への信頼と希望を反映しています。またヘブル人への手紙10章35節は、「ですから、あなたがたの確信を投げ捨ててはなりません。それは大きな報いをもたらすものなのです。」という内容で、信仰の堅固さを強調しています。
日本語版も制作されており、「礎となり 弱きを強める あなたこそが 主の主」という歌詞で、原曲の意味を忠実に伝えています。
キリスト教葬儀における讃美歌の役割と希望
キリスト教の葬儀では、悲しみだけでなく「天国での再会の希望」や「永遠の命」を伝えるために、讃美歌が重要な意味を持ちます。それぞれの曲が持つ背景や聖書メッセージを知ることで、より深く信仰の意味を感じることができるでしょう。
グレースセレモニーでは、讃美歌の選定についても、お一人おひとりの思いや召された方の信仰を大切にし、心に残るキリスト教葬儀をお手伝いいたします。
グレースセレモニーは、事前のご相談から、ご依頼主様と同じキリストを信じる者として、共に祈り準備を重ねて参ります。葬儀を通して、召された方の信仰の歩みから、参列者お一人お一人に福音を分かち合い、キリストを紹介する場として、召された方の思いを大切にしつつ、一都三県でのキリスト教葬儀を、最大限お手伝いさせて頂ければと願っております。